○上勝町樫原地区景観条例施行規則

平成21年7月6日

規則第7号

(趣旨)

第1条 この規則は,上勝町樫原地区景観条例(以下「条例」という。)の施行に関し,必要な事項を定めるものとする。

(樫原地区景観構成要素)

第2条 条例第4条第2項に規定する棚田景観・集落景観の良好な景観構成要素は別表第1のとおりとする。

(樫原地区景観形成基準)

第3条 条例第5条第1項に規定する樫原地区の景観形成基準は別表第2のとおりとする。

(樫原地区の景観構成要素に対する届出一覧)

第4条 条例第8条第1項に規定する届出対象のうち,特に重要な樫原地区の景観構成要素は別表第3のとおりとする。

(届出書の様式)

第5条 条例第8条第1項に規定する届出書の様式は様式第1号のとおりとする。

この規則は,公布の日から施行する。

別表第1(第2条関係)

棚田景観・集落景観の良好な景観構成要素

範囲

景観単位

景観構成要素

備考

棚田景観

農地

畦の曲線,畦の段

 

石積み,土坡

 

田畑の小さな面積

 

水系

水路系統・水路

 

久保用水

別図第1

分水及び灌水施設

 

樹木・山林

景観保全樹木①(スギ)(竹ノ前35―1,35―4(一部))

別図第2

景観保全樹木②(クヌギ)(亀田13―1)

別図第2

景観保全樹木③(タブ・スギ)(樫原86―3)

別図第2

文化10年絵地図の現存する古街道

別図第1

文化10年絵地図の現存する里道

別図第1

現状の道(町道)

 

集落景観

民家・建造物

民家の外観

 

建造物(平成の水車小屋,炭焼小屋)

 

生活文化

神社小祠

・秋葉神社

・東明寺観音堂

・山神(秋葉神社境内)

・阿波島神社

・森の元山神

別図第3

それ以外の神社小祠

別表第4

石像物

・光明真言塔

別図第3

それ以外の石像物

別表第5

空間

良好な視点場

 

水の音

 

別表第2(第3条関係)

樫原地区の景観形成基準(範囲Ⅰ)

景観要素

■保存の内容

■修復等の内容

(景観保存要素の修復,景観阻害要素の修復,新設の景観要素)

共通

1 行為の届け出

・棚田景観・集落景観の改変行為は,最小限にとどめ,かつ,棚田景観・集落景観に調和するものとし,事前に別表第3により「届け出」を行う

・同左

農地

1 畦の曲線,畦の段

・「畦の曲線」「畦の段」の形状は,原則として現状維持とする

・豪雨等で農地を復旧する場合,「畦」の平面形状は直線とせず,原形の曲線形状で復旧する

2 石積み,土坡

・農地の「石積み」「土坡」は,原則として現状維持とする

・石積み・土坡が損壊した場合,原則として,伝統工法による石積み・土坡で復旧する

・石積みは,現況の石積みと同程度の大きさの石材を用い,原則として「空石積み」とする

・構造的に空石積みでの復旧が困難な場合,周囲の景観に十分に配慮した工法を採用する

3 田畑の小さな面積

・「田畑」の面積は,原則として現状維持とする。

・継続的な棚田保存・集落保存の観点から必要とされる場合,概ね2アール以下,最大でも3アール以下の面積とする

4 災害等による石積み・土坡の復旧

・災害等により農地の「石積み」「土坡」が損傷した場合の復旧は,伝統工法による「空石積み」「土坡」での復旧を原則とする

・構造的に「空石積み」での復旧が困難な場合,周囲の景観に十分に配慮した工法を採用する

【景観保存要素の修復】

1 休耕農地

・「重要な被視点場エリア」に位置する休耕農地は,復田・畑耕作・草刈りの農地管理を行う

【景観阻害要素の修復】

2 既存の農地構造物(コンクリート擁壁,ブロック擁壁)

・農地の既存コンクリート構造物は,伝統工法による復旧,若しくは,表面被覆植生や自然材料(石材)等による周囲の景観と調和した表面修景,若しくは,視点場からの植栽等による周囲と調和した「目隠し」修景を行うことに努める

・農地の既存コンクリート構造物の修復は,地元住民と行政の協議により修復する

【新設の景観構成要素】

3 新設の農地構造物(コンクリート擁壁,ブロック擁壁)

・農地の新設コンクリート構造物は,伝統工法,若しくは,表面被覆植生や自然材料(石材)等による周囲の景観と調和した景観,若しくは,視点場からの植栽等による周囲と調和した「目隠し」を行うことに努める

・農地の新設コンクリート構造物の設置は,地元住民と行政の協議により行う

水系

1 水路系統・水路

・原則として,現状の「水路系統」を維持する

・水路が損壊した場合,原則として,自然材料を用いた伝統工法により復旧する

・構造的に伝統工法による復旧が困難な場合,周囲の景観に十分に配慮した工法を採用する

2 久保用水

・原則として,下樫原地区に現存する歴史遺構としての「久保用水」は,現状維持とする

・このため,久保用水に隣接する農地の形状は,現状維持とする

・久保用水を復旧する必要が生じた場合,石材等の自然材料による伝統工法により復旧する

3 分水及び灌水施設

1) 分水施設

・現状維持とする

2) 灌水施設:竹樋,田越し,ヨセ,ヨケ

・現状維持とする

・「竹樋」「田越し」「ヨセ」「ヨケ」の復元を推奨する

 

樹木・山林

1 景観保全樹木①(スギ)

・現状維持とする

2 景観保全樹木②(クヌギ)

・現状維持とする

3 景観保全樹木③(タブ・スギ)

・現状維持とする

【景観阻害要素の修復】

1 景観阻害樹木

・所有者の同意を得て,将来的に伐採する

1 文化10年絵地図の現存する古街道

・道路線形は,現状維持とする

・道路幅員は,原則として現状維持とし,拡幅が必要な場合,必要最小限とする

・道路構造物の復旧が生じた場合,石積み等の伝統工法により復旧する

・伝統工法での道路構造物の復旧が困難な場合,周囲の景観に十分に配慮した工法を採用する

2 文化10年絵地図の現存する里道

・里道線形・幅員は,現状維持とする

・復旧が生じた場合,石積み等の伝統工法により復旧する

・構造的に伝統工法での復旧が困難な場合,周囲の景観に十分に配慮した工法を採用する

3 現状の道

1) 町道

・道路線形は,現状維持とする

・道路幅員は,原則として現状維持とし,拡幅が必要な場合は,必要最小限とする

・道路構造物の復旧が生じた場合,石積み等の伝統工法により復旧する

・伝統工法での道路構造物の復旧が困難な場合,周囲の景観に十分に配慮した工法を採用する

2) その他の道路

・現状維持とする

【景観阻害要素の修復】

1 既存の道路構造物(コンクリート擁壁・ブロック擁壁・ガードレール・道路舗装)

・「範囲Ⅰ」内に位置する,道路コンクリート擁壁,ガードレール,及び道路舗装の道路構造物は,「樫原地区景観形成ガイドライン」に基づき,安全性を確保した上で,景観阻害に対する修復計画を立案して対応する

【新設の景観構成要素】

2 新設の道路構造物(コンクリート擁壁・ブロック擁壁・ガードレール・道路舗装)

・「範囲Ⅰ」内に新設する,道路コンクリート擁壁,ガードレール,及び道路舗装の道路構造物は,「樫原地区景観形成ガイドライン」に基づき,安全性を確保した上で,景観阻害に対する計画を立案して設置する

民家・建造物

1 民家の外観

1) 全般

・2006年時点の民家(主屋のほか納屋・倉庫等を含む)外観の維持を推奨する

2) 民家外観の改修

・既存民家(主屋のほか納屋・倉庫等を含む)の外観の改修は,原則として,木材等の自然素材,若しくは,現在使用している素材を用いることを推奨する

3) 民家の建て替え・新築

・民家の建て替え・新築の場合,木造・平屋建て若しくは木造2階建てとし,このうち,木造・平屋建てを推奨する

・民家の建築様式は,現状の樫原地区の民家様式と同様な山間部建築様式を推奨し,近代的な洋式は控える

・民家外壁の素材は,派手な色彩は控える

4) 届け出

・民家の改修・新築等は,小規模なものを除き,事前に別表第3により「届け出」を行う

2 建造物

1) 平成の水車小屋

・現状維持とする

・損傷の場合,原型復元とする

2) 炭焼き小屋(上樫原)

・現状維持とする

・損傷の場合,原型復元とする

【景観保存要素の修復】

1 農村舞台(秋葉神社隣)

・建物を伝統工法で修復する

【景観阻害要素の修復】

2 民家・建造物(民間所有)

1) 民家等の外観の修復

・現状の個人所有の民家(主屋のほか納屋・倉庫等を含む)の外観のうち,棚田景観・集落景観を阻害するものは,これらに調和するように修復を所有者に推奨する。

2) 建造物の外観

・現状の個人所有の建造物の外観のうち,棚田景観・集落景観を阻害するものは,これらに調和するように修復を所有者に推奨する。

3 建造物(公共所有)

1) 水道貯水タンク

・自然材料や植物・樹木による水道貯水施設の目隠し処理を行う

2) 集水井戸

・周辺景観に調和するものとする

【新設の景観構成要素】

4 新設の建造物

・新設の建造物(含む地滑り防止施設)は,棚田維持・集落維持に必要かつ小規模なものとし,棚田景観・集落景観に調和するものとする

・建造物の新設は,小規模なものを除き,事前に別表第3により「届け出」を行う

生活文化

1 神社小祠

・秋葉神社,東明寺観音堂,山神(秋葉神社境内),阿波島神社,森の元山神

2 石像物

・石像物:光明真言塔を保存対象とし,現状維持とする

【景観保存要素の修復】

1 神社小祠

・秋葉神社:建物の修復を伝統工法で行う

・東明寺観音堂:建物の修復を伝統工法で行う

空間

1 良好な視点場

・ランク1~ランク2の「非常に良好な視点場」は,視点場からの視距確保を維持する

・このため,「非常に良好な視点場」の視距を阻害する樹木,民家,建造物の築造は控える

2 水の音(無形)

1) 全般

・「水の音」の保存のため,水路は現状維持を原則とする

2) 水路の改修

・水路改修の場合,暗渠形式は必要最小限とし,原則として開渠形式を推奨する

・水路改修の場合,人工材料を用いた水路構造は必要最小限とし,原則として自然材料を用いた水路構造を推奨する

【景観保存要素の修復】

1 現在失われた,かつての良好な視点場

・景観阻害樹木の伐採処理により復元する

2 重要な被視点場(中樫原・休耕農地)

・「重要な被視点場エリア」に位置する休耕農地は,復田・畑耕作・草刈りの農地管理を行う

別表第3(第4条関係)

届出対象のうち,特に重要な樫原地区の景観構成要素

範囲

景観単位

景観構成要素

景観法に基づく行為制限等

文化庁長官への現状変更の届出を要する行為

備考

届出行為

棚田景観

農地

畦の曲線,畦の段

 

石積み,土坡

 

田畑の小さな面積

 

既存及び新設の農地構造物

・コンクリート擁壁

・ブロック擁壁

 

 

水系

水路系統・水路

 

 

久保用水

 

別図第1

文化10年絵地図の現存する古街道

 

別図第1

文化10年絵地図の現存する里道

 

別図第1

現状の道(町道)

 

 

既存及び新設の道路構造物

・コンクリート擁壁

・ブロック擁壁

・ガードレール

・道路舗装

 

 

集落景観

民家・建造物

民家の外観

 

既存及び新設の建造物

民間所有(平成の水車小屋,炭焼小屋)

 

公共(含む地滑り防止施設)

・水道貯水タンク

・集水井戸

 

 

農村舞台(秋葉神社隣)

別図第3

生活文化

神社小祠

・秋葉神社

・東明寺観音堂

・山神(秋葉神社境内)

・阿波島神社

・森の元山神

別図第3

石像物

・光明真言塔

別図第3

画像画像

別図第1

景観形成要素の位置(水系,道)

画像

別図第2

景観形成要素の位置(樹木・山林)

画像

別図第3

景観形成要素の位置(神社小祠,石像物)

画像

別表第4

神社小祠(それ以外の神社小祠)一覧

名称

種別

所在地

のごうの森神(野神さん)

神社小祠

善の丸山麓

大西大権現(大西神社)

神社小祠

瀬郷谷山麓

かさ神さん

神社小祠

秋葉神社山麓(南側),久保に至る道沿い

別表第5

石像物(それ以外の石像物)一覧

名称

種別

所在地

地神さん

石造物

東明寺観音堂境内

庚申塔

石造物

東明寺観音堂境内

板碑

石造物

阿波島神社向かい

地蔵

石造物

阿波島神社向かい

阿弥陀さん

石造物

かきどを岩滝石道岸

おふなとさん

石造物

各戸

上勝町樫原地区景観条例施行規則

平成21年7月6日 規則第7号

(平成21年7月6日施行)