○上勝町持続可能な美しいまちづくり基本条例
平成25年3月25日
条例第2号
私たちが住む上勝町は,清流勝浦川と緑濃き山脈に抱かれ,表土の厚い地質と雨の多い気候に恵まれ,古くから林業と柑橘類の栽培で栄え,自然豊かな歴史と風土を育んできた。近くは,いっきゅうと彩の里かみかつのキャッチフレーズの下に,知恵を出し,明るい彩りのあるまちづくりを推進している。
私たちは,先人が守り続けてきた美しい自然や地域の伝統と文化を,後世にしっかりと引き継ぎ,何よりも町民が豊かで安心して住み続けることのできる古里,そして集落を再生しなければならない。
そのためには,人と人との絆を大切にする自治組織を基盤とし,町民等が主役のまちづくりを推進することが重要である。
ここに私たちは,新しいまちのかたちを創造し,魅力あふれる美しい上勝町の発展を希求して,この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,上勝町(以下「町」という。)のめざす持続可能な美しいまちづくり(以下「まちづくり」という。)の基本理念を明らかにするとともに,その推進を図ることを目的とする。
(1) 町民 町の区域内(以下「町内」という。)に居住する者をいう。
(2) 自治組織 町内において町民の生活の向上を図るため,自主的かつ主体的に地域の課題の解決及び活性化(以下「課題の解決等」という。)に取り組むことを目的とする名等の組織をいう。
(3) 町民等 町民,町内で勤務する者,町内に土地(宅地,農地,山林及びその他の土地をいう。以下同じ。)又は建物等を有する者,事業者及び自治組織をいう。
(4) 協働 町民等及び町が,互いの役割を尊重し,補完し合いながら課題の解決等に取り組むことをいう。
(基本理念)
第4条 町民等及び町は,次に掲げる原則に従い,協働してまちづくりを推進するものとする。
(1) 良好な環境及び景観の保全
(2) 美しい自然との共生
(3) 地域の活性化と雇用の確保
(4) 情報の発信と交流の拡大
(5) ふるさとに誇りを持つ人づくり
(6) 地域自治の拡充
第2章 町民等
(町民等の権利)
第5条 町民等は,町の政策形成に参画するとともに,行政サービスを受ける権利を有する。
2 前項に規定する政策形成に参画する権利は,次のとおりとする。
(1) 町に意見,要望等を表明し,又は施策等を提案する権利
(2) 町政に関する情報を知る権利
(町民等の責務)
第6条 町民等は,前条に規定する権利を行使するに当たっては,自らの発言と行動に責任を持ち,必要に応じて応分の負担をしなければならない。
第3章 自治組織
(自治組織への加入等)
第7条 町民は,全員が自治組織に加入し,互いに助け合い,自治組織が実施する課題の解決等の取組に協力するよう努めなければならない。
2 町民は,自治組織に加入できない特別の事情がある場合においても,自治組織の活動を理解し,前項の取組に協力するよう努めなければならない。
(自治組織の役割)
第8条 自治組織は,課題の解決等を図るため,特に次の事項に取り組むものとする。
(1) 環境及び景観の保全
(2) 町民等が所有し,又は使用する土地及び建物等の適切な管理
(3) 空き家の登録並びに売買及び貸借のあっせんに対する支援
(4) 新規移住者に対する支援
(5) 後継者に対する支援
(6) 新規就農者に対する支援
(7) 高齢者等に対する支援
(8) 農林水産業に対する支援
(9) 鳥獣被害対策に対する支援
(10) 地域の伝統及び文化の保存
(11) ふるさとを愛しふるさとを活性化する人づくり
(12) 災害の予防,避難及び救助
(13) その他自治組織が実施することがふさわしいと思われる事業
2 自治組織は,前項に掲げる事項に係る取組を実施するに当たり,町に対し支援を求めることができる。
第4章 町
(町の責務)
第9条 町は,自治組織が実施する課題の解決等の取組を支援しなければならない。
2 前項に規定する支援の方法等については,町長が別に定める。
3 町は,町民等からのまちづくりに有効と認められる意見,要望,施策等を町政に反映するよう努めなければならない。
4 町は,個人の権利及び利益が侵害されることのないように,個人情報を保護するよう努めなければならない。
(町の役割)
第10条 町は,自治組織と連携し町民福祉の向上のため,次の事項に取り組むものとする
(1) 教育の振興
(2) 消防防災活動の推進
(3) 環境保全活動の推進
(4) 高齢者等の福祉の推進
(5) 農林水産業の振興
(6) 商工業の振興
(7) その他
(組織)
第11条 町は,町民等にわかりやすい機能的な組織づくりを行い,行政サービスの向上に努めなければならない。
(財政運営)
第12条 町は,効率的かつ効果的な財政運営を行うことにより,常に財政の健全化に努めなければならない。
第5章 雑則
(条例の見直し)
第13条 町は,この条例を見直す必要が生じたときは,町民が参画する委員会等の意見を聞いた上で見直しを行わなければならない。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し必要な事項は,町長が別に定める。
附則
この条例は,規則で定める日から施行する。