インフルエンザワクチン 予防接種のすすめ  上勝町診療所 武市和憲

公開日 2005年10月01日

暑かった夏から秋へと季節は移り、特に朝夕は寒ささえ感じるようになってきました。流行時期にはまだ早いですが、今回はインフルエンザ予防接種について述べたいと思います。

インフルエンザといわゆる一般的なかぜとは、原因となるウイルスの種類が異なり、通常の"かぜ"はのどや鼻に症状が現れるのに対し、インフルエンザは急に38~40度の高熱がでるのが特徴です。

さらに、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることも希ではありません。日本では毎年12月~3月頃に流行します。

そこで最も確実な予防は流行前にワクチン接種を受けることです。もしインフルエンザに感染したとしても重症化を防ぐことができます。特に、次に当てはまるような方は重症化したり合併症を起こしたりやすく特に接種が勧められます。
・65歳以上の高齢者
・慢性肺疾患(肺気腫、気管支喘息、肺線維症、肺結核など)
・心疾患(心臓弁膜症・うっ血性心不全など)
・腎疾患(慢性賢不全・血液透析患者・腎移植患者など)


自分から他人にうつす可能性もあるため、家族、職場等にそのような方がいる場合や集団生活をしている学童などにも接種をお勧めします。

なお妊婦についてはワクチンが胎児に悪影響を与えるとは考えられていませんが、一般的に妊娠初期(妊娠13週くらいまで)は自然流産が起こりやすい時期でもあり、この時期の予防接種は避けた方がよいとされています。
授乳婦は問題なく接種できます。

インフルエンザワクチンは接種してから実際に効果を発揮するまでに2週間ほどかかります。ワクチンには2回接種と1回接種(中学生以上は1回でもよい)があり、2回接種する場合は2回目は1回目から1~4週間あけて接種します。流行期間が12~3月ですから、 11月中旬頃までには接種を終えておくようにすると効果的です。
今月からインフルエンザワクチンの予防接種の受付が始まります。健康な方も、普段医療機関にかかっている方も主治医と相談し問題なければぜひ受けるようにしましょう。

 

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