「ひざの痛み」変形性膝関節症について 上勝町診療所 木下英孝

公開日 2011年02月24日

今回は、多くの方が悩んでいる「ひざの痛み」についてのお話です。

膝の関節


膝関節は、体重が大きくかかる部分です。関節面(大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)それぞれの末端)は、軟骨でおおわれ、骨同士が直接こすれ合わないようになっています。関節全体は「関節包(ほう)」で包まれていて、その中には「関節液」があります。  関節液には「ヒアルロン酸」という粘りのある物質が多く含まれていて、これが潤滑油(じゅんかつゆ)の役割を果たしています。

変形性膝関節症


関節液中のヒアルロン酸の濃度は年齢とともに低下します。すると、潤滑油としての働きが落ちて、軟骨がすり減ってきます。軟骨の破片がはがれ落ちて炎症を起こすと、腫れたり、痛みが生じます。「肥満」や「O脚(オーきゃく)」になると、軟骨はさらにすり減り、関節のすき間が狭くなります。骨同士がぶつかるようになると、痛みがとても強くなってきます。

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治療法


薬物療法としては、外用薬(湿布(しっぷ)や塗り薬)、内服薬や坐薬(消炎鎮痛剤)を使用したり、「ヒアルロン酸」の関節注射をおこなったりします。
理学療法としては、温熱療法、運動療法(膝関節を支える筋肉をきたえる)、装具療法(サポーターなどで関節を支える)をおこないます。装具に頼りすぎると、筋肉がやせて、病状が悪化することもあるので注意が必要です。
手術療法は、病状が進行して痛みが非常に強くなった場合におこないます。

自分でできる予防法


膝関節痛の悪化を防ぐために大切なことは、「適正体重を維持すること」と「大腿四頭筋をきたえること」です。体重がオーバーしている人は、膝にかかる負担が当然大きくなるので、ぜひダイエットすることをお勧めします。
大腿四頭筋とは、太ももの前面の筋肉です。膝関節を支えるために重要な筋肉です。膝が痛いからといって動かさないでいると、筋肉がどんどんやせて関節にかかる負担が大きくなり、関節痛は強くなってきます。道具を使わず、自宅で座ったまま簡単にできる大腿四頭筋訓練法があります。医師や理学療法士にご相談下さい。

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