腰痛について 上勝町診療所 木下英孝

公開日 2011年02月24日

今回は「腰痛」についてのお話です。ある調査によると、「体に感じる痛み」の第1位が「腰痛」だそうです。確かに腰痛はほとんどの人が経験したことがあるし、高齢者の多くが悩まされている症状ですね。

腰痛の原因


腰痛の三大原因は、「骨格のゆがみ」「筋力の低下」「血行不良」といわれています。運動不足、太りすぎ、やせすぎ、生活習慣などが影響します。
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腰椎を支える筋肉


腰椎は、絵に示すような「椎体」という骨が縦に五つ並んでいます。椎体と椎体の関節を支えるのは「靱帯」と「筋肉」です。関節がゆるむと腰痛がひどくなります。靱帯は、残念ながら鍛えることができません。関節を安定させるためには、腰椎を支える筋肉「腹筋と背筋」が大切なのです。

腰痛と生活習慣


腰痛の原因には、生活習慣が大きく関わっています。特に「姿勢」は重要です。歩く姿勢、座る姿勢、仕事をする姿勢などが影響します。歩くときは、できるだけ背筋を伸ばし、少し大またで歩くと良いようです。座るときも前かがみにならず、背筋を伸ばして座りましょう。座ったままの仕事を長時間続けずに、ときどき立ち上がって体を伸ばしたり、筋肉をほぐしましょう。また、畑仕事などでも、長時間うつむき仕事を続けることは控えましょう。

変形性脊椎症


高齢になると、長年の生活習慣で骨が変形してきます。特に、前かがみの姿勢が多い仕事や重い物を持つ仕事を続けてきた人は、腰椎が変形して慢性的な腰痛・坐骨神経痛の原因になります。

骨粗しょう症


骨からカルシウムが失われ、骨がもろくなり、圧迫骨折などが起こりやすくなります。慢性的な腰痛の原因にもなります。カルシウムをしっかり摂取し、適度に運動することが大切です。

腰椎椎間板ヘルニア


腰椎の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている「椎間板」が後方に飛び出して脊髄に触れるようになると、腰痛・坐骨神経痛、足のシビレを起こします。症状が強いときは安静が必要です。

腰痛の自己管理


突然起こった腰痛(ぎっくり腰など)の場合は、安静にして、冷湿布を貼るのが良いでしょう。一方、慢性的な腰痛に対しては、腰を温めることと適度に運動して筋力アップすることが大切です。 腰痛体操  腰が痛いと、体を動かすのが面倒になりますが、運動不足で筋力が弱くなると、さらに腰痛が悪化します。背骨を支える「背筋と腹筋」を強くすることで腰痛はやわらぎます。腰回りの筋肉をほぐしながら少し鍛えるような運動をお勧めします。もちろん激しい運動は逆効果です。「貯筋教室」や「運動教室」に参加して、自分に合った体操の仕方を知って、自宅で毎日続けることが大切です。すぐに効果は現れませんが、2週間から1ヶ月くらい経つと、徐々に腰痛が軽くなっていくことに気づくことでしょう。

お問い合わせ

本庁 住民課
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