メタボリックシンドローム 上勝町診療所 武市和憲

公開日 2011年02月24日

メタボリックシンドロームという言葉を聞いたことがあるでしょうか?今までになかった全く新しい病気のことではありません。

メタボリックシンドロームとは?


生活習慣病とよばれている主な疾患には「肥満症」や「高血圧」「高脂血症」、「糖尿病」などがあります。これらの疾患は別々の原因で発症するというよりも、肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満)が原因であることがわかってきました。
このような内臓脂肪型肥満の状態が続くことによって、生活習慣病を引き起こし、それがもとで全身の動脈硬化が進行し、血管が詰まることにより脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などの重大な疾患を引き起こす状態をまとめて「メタボリックシンドローム」と呼びます。

診 断


肥満は体のどの部分に脂肪がつくかによって、2つのタイプに分かれます。下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプを「皮下脂肪型肥満」、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプを「内臓脂肪型肥満」とよびます。
この2つのタイプのうち、「皮下脂肪型肥満」は外見から明らかにわかりやすいですが、「内臓脂肪型肥満」は外見ではわからないことがあります。内臓脂肪型肥満を簡単に調べる方法として、ウエスト径(へそまわり径のことで、一番細いところではない。)が男性では85cm八十五以上、女性では90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満が疑われます。
先に挙げた「肥満症」、「高血圧」「高脂血症」、「糖尿病」のうち、2つ持つ人はまったく持たない人に比べ、心臓病の発症リスクが10倍近くに、3~4つ併せ持つ人ではなんと31倍にもなることが分かっています。

予 防


そこで内臓脂肪の蓄積を解消することが目標になります。食生活を改善し、運動を習慣的に行うことが重要です。また喫煙者は禁煙します。
食習慣の改善のポイントとして、
1.3食は規則正しく、ほぼ等しい量を摂取する。
2.各栄養素、ビタミンをバランスよく摂る。
3.ゆっくりよく噛んで食べる。
4.食物繊維を先に食べる。
5.腹八分目にする。などが言われています。
運動の基本は歩行です。普通の歩行の1.5倍くらいのスピードできついと感じない程度を1回30分、週3回くらいで始めるとよいでしょう。
桜の花も咲き始め、昼間は暖かい日も増えてきました。冬場に運動不足になった方も多いと思いますが、これからの季節少しずつでも体を動かしていきましょう。 



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※CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行なうことが望ましい。
※ウエスト周囲径は立ったまま、軽く息をはいた状態でへそまわりを測定する。
※高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症、高血圧、糖尿病に対する薬剤治療を受ける場合はそれぞれの項目に含める。           日本内科学会雑誌94(4),188,2005

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