骨粗鬆症を予防しよう 上勝町診療所 木下英孝

公開日 2011年02月24日

骨粗鬆症とは、骨からカルシウムが溶け出し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。特に、中年以降の女性に多い疾患です。高齢者が寝たきりになる原因として、脳卒中とともに多い病気ですから、注意が必要です。しっかり予防することが大切です。今回は、骨粗鬆症を予防するための生活習慣についてのお話です。

 

カルシウムをしっかり摂取!

 

皆さんご存じのように、骨の材料はカルシウムです。カルシウムは毎日摂取することが大切です。1日600 mg 以上、できれば800 mg 以上の摂取が勧められています。牛乳などの乳製品以外に、小魚や大豆食品、ゴマやワカメなどを上手に利用してみましょう。

タンパク質をしっかり摂取!

 

骨の成分として、カルシウムだけでなくタンパク質も重要です。高齢者の食生活では、このカルシウムとタンパク質が特に不足しがちである、と言われています。タンパク質は、乳製品、大豆食品、卵、魚などから適度に摂取するよう心がけましょう。

 

リン酸の多い食品に注意!

 

リン酸の摂り過ぎは、カルシウムの吸収を妨げるなど、好ましくありません。リン酸は、インスタント食品、加工食品、炭酸飲料、スナック菓子などに多く含まれます。これらの食品に偏りすぎないよう注意しましょう。

 

食塩の摂取を減らそう!

 


食塩(塩化ナトリウム)を摂り過ぎると、尿中のナトリウムが増え、同時に尿中のカルシウムも増えます。すなわち、食塩を摂り過ぎると、体内のカルシウムが失われていくことになるのです。薄味を心がけ、塩分は控えめにしましょう。

しっかり運動しよう!


体を動かさないと、筋肉がやせるように骨もやせていきます。骨にとって、特に長軸方向の負荷がかかることが大切で、それにより骨のカルシウム利用が高まります。毎日30分間程度歩くだけでも結構です。骨を毎日きたえましょう。

 

貧血は治療しよう!

 

「貧血の女性は骨密度も低い」といわれます。女性の貧血原因は90%が鉄欠乏性なので、しっかり鉄分を補給しましょう。食生活の改善で効果がなければ、鉄剤の服用をお勧めします。

 

やせすぎないように!

 

極端なダイエットでやせている女性は、栄養不足の面からも、カルシウム代謝への悪影響からも、将来の骨粗鬆症予備軍と考えられます。健康な生活のためには、適度な皮下脂肪も必要なのです。やせすぎは禁物です。バランス良い食生活を心がけましょう。

 

カルシウムの多い食品(100g当たり)
牛  乳 110mg
スキムミルク 1100mg
豆  腐 120mg
生揚げ 240mg
ひじき 1400mg
わかめ 130mg
あ  ゆ 480mg
しじみ 130mg
小松菜 170mg
ご  ま 1200mg

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