タバコの歴史と「なぜ?」 上勝町診療所 木下英孝

公開日 2011年02月24日

タバコは体に悪いと言われているのに、なぜ販売され続けているのでしょうか?今回は、その「なぜ?」についてのお話です。

 

タバコの歴史

 

■日本では約450年

タバコの歴史は古く、7世紀の古代マヤ文明の人たちが吸ったのが最初だそうです。15世紀の終わりに「アメリカ大陸」が発見されたとき、インディアンが吸っていたタバコをヨーロッパに持ち帰り、急速に広まったようです。日本には16世紀半ばにポルトガル人が「鉄砲」とともに持ち込み、江戸時代には喫煙習慣が広まったそうです。

 

■日本政府が喫煙を奨励した

明治以降は、その習慣性・常習性を利用して、税を徴収する手段となりました。今から100年あまり前の「日清戦争・日露戦争」の頃、日本政府は国家収入を増やす目的で、タバコの製造販売を「国営」にしたのです。国が喫煙を奨励したことにより、昭和40年頃には日本人男性の喫煙率が80%を超えるという異常事態になったのです。

 

■日本では遅れた禁煙運動

禁煙運動は、世界的にみると80年ほど前にイギリスで始まりました。理由は「肺ガンによる死亡率が急激に増えたこと」でした。アメリカでも40年ほど前から禁煙運動が活発になり、喫煙率は20%台まで低下し、10年前から「ガンによる死亡率が減少する」という効果があらわれています。日本における禁煙運動の動きが遅かったのは、もともと国家収入のために政府が喫煙を奨励していたことと、現在も「日本たばこ産業株式会社 JT」の株を50%も政府(財務省)が保有していることが大きな原因のようです。最近ようやく「健康日本21」で「10年間で喫煙率を半減させる」という目標をかかげました。現在の喫煙率は男性45%、女性14%といわれています。他の先進諸国に比べると高すぎます。

 

■タバコは 美貌 ( びぼう ) の敵?

タバコを吸っていると、平均寿命が約10年短くなるだけではなく、皮膚の老化も早く進みます。原因は、喫煙による「ビタミン Cの消費」です。タバコを1本吸うごとに体内のビタミンCが25mg以上消費されます。ビタミンCの必要摂取量は1日100mg、国民の平均摂取量も約100mgとギリギリです。体内に蓄えられるビタミンCの量は1500mgなのに、タバコ20本を吸う事で500mg以上も消費されてしまうのです。ビタミンCは、抗酸化物質として「動脈硬化抑制」「発ガン抑制」にも役立つ大切なものなのに、、、。

 

禁煙する理由をみつけよう!

「健康のため」「子供のため、孫のため」「若さを保つため」「貯金のため」など、禁煙する理由は何でも結構です。「ガンと闘うより、禁煙と闘う方が楽だ」と頑張った人もいます。「禁煙してタバコ代に消えるはずだったお金を貯金して、自分に褒美を与える」というのは「やる気」になれる良い方法だと思います。毎日300円の貯金を続けると、1年で10万円以上にもなるんですよね。

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