お酒と健康  上勝町診療所 木下 英孝

公開日 2007年11月01日

今回は、お酒(アルコール)と健康についてのお話です。ある調査によると、飲酒習慣がある人の割合は、男性で43%、女性で9%だそうです。皆さんは、どれくらいの頻度でお酒を飲みますか?「1年365日、かかすことがない」という人はいませんか?飲みすぎて体調が悪くなったりしませんか?お酒は、さまざまな病気の原因になります。飲みすぎることなく、上手に付き合っていきましょうね。

 

飲みすぎによって起こる病気

◆急性胃炎、胃潰瘍
お酒を飲みすぎて、胃腸の調子が悪くなったことはありませんか。宴会の翌日に、気分が悪くなって吐いたり、腹が痛くなったり、食欲が無くなったり。繰り返していると「胃潰瘍」になって、吐血することもあります。

◆脂肪肝、肝炎、肝硬変
肝臓の働きが低下すると、食欲不振、全身倦怠感、無気力などの症状が現れます。さらに悪化すると、黄疸や腹水、体重減少、頭痛や意識障害をきたすこともあります。肝機能が悪くならない程度に、飲酒量を控えめにすることが大切ですね。

◆糖尿病、膵炎
飲酒は、膵臓にも負担をかけます。膵臓の働きが低下して、インスリンの分泌が悪くなると「糖尿病」になります。また、飲酒による膵炎を繰り返していると、膵臓に結石ができて、手術が必要になることもあります。

◆食道癌
濃度の濃いアルコールを好む人には「食道癌」が発生しやすくなります。ウイスキーや焼酎を「ストレート」や「ロック」で飲むのは良くありません。水割りや湯割りにして、薄めて飲むようにしましょう。

◆認知症
大量飲酒を続けていると、脳が萎縮して、脳の働きが低下します。飲酒量が多いほど、その傾向が強くなります。

 

飲酒で健康を損ねないために

●毎朝起きたらコップ2杯の水を

p11-1.gif

体内に吸収されたアルコールは肝臓で分解されて「アセトアルデヒド」という毒素になります。そのあと酢酸などに分解・解毒されます。肝臓の働きが低下すると、アセトアルデヒドが体内に長時間残ることになり、頭痛や吐き気、急性アルコール中毒などの原因となるのです。水分をたくさん摂取すると、尿として早く体外に追い出すことができます。就寝前に水をたっぷり飲んでおくと、二日酔いの予防にもなります。

●休肝日をつくろう
毎日毎日、深酒をしていると、胃腸も肝臓も正常に機能しなくなり、もとに戻りにくくなります。また、二日酔いの状態が長い時間あるほど、脳の障害も進みやすくなります。少なくとも週に1日、できれば週に2日以上の休肝日を設けましょう。「月曜日と木曜日は飲まない」などと、曜日で決めておくのも良いでしょう。

 

飲酒運転は絶対にダメ!

お酒を飲むと、反射神経が鈍くなります。飲酒して運転すると、正常な判断ができなかったり、ブレーキ動作が遅れて、取り返しのつかない事故を起こすことにつながります。飲酒運転は、絶対に「しない」「させない」「許さない」という姿勢を持ちましょう。

お問い合わせ

本庁 住民課
TEL:0885-46-0111