事業経緯

本町の約86%が山林であるが、林業については、外材の輸入等々により木材価格は低迷し生業として成り立たない危機的状況となっている。
森林をこのまま放置し、森林の多面的機能(地球温暖化に係るCO2削減・災害予防(治山治水)・河川の流量安定・水質の改善・水源涵養・多様な同植物との共生)を発揮させなければ、地球環境の保全に貢献できないばかりか、上勝町で人間が生活できない状況に陥ってしまうため、森林林業の活性化、森林資源の有効利用といった課題の打開策を模索していた。
このような中、本町の豊富な森林資源を有効利用できるものの一つとして、木質バイオマス利活用について以前から注目していた。しかしながら、国内での導入実績もほとんどなく本町においても豊富な森林資源といいながら、利活用可能な木質バイオマスの賦存量等把握できていない現実があり調査研究が必要であった。
ちょうどそのとき平成15年度バイオマス等未活用エネルギー事業調査補助事業(経済産業省)の公募があり、採択して頂き
①森林資源の有効活用(木質バイオマスの賦存量調査)
②二酸化炭素の排出抑制(本町で消費される化石燃料の消費削減)
③バイオマス導入による地域雇用の増進及び地域経済の活性化
上記3項目の実現に向け事業可能性を調査研究し、課題の抽出及び解決策の検討を行った。
調査の結果、月ヶ谷温泉においては、現在使用のA重油から木質バイオマス(木材チップ)に転換する事により同等より少し安価で運転可能である事、また町外に流出していたA重油代金、年間約1,100万円/年を燃料チップを町内で生産し、町内で循環させる事により、新産業による雇用の創出も含め地域経済の好循環を実現可能である事、また、年間566.58t - CO2の削減となり、地球温暖化に伴うCO2削減にも貢献できるという結果となった。
この調査結果を受け、平成16年4月9日に「環境と経済の好循環まちモデル事業」(環境省)の公募に応募し、ヒアリング等を経て6月15日27地区の応募の中の11地区の一つとして採択いただき平成16年度~平成18年度の3ヶ年で、木質バイオマスチップボイラー導入(3基)及び木質バイオマス燃料チップ生産システム確立を図り二酸化炭素排出抑制による地球温暖化防止・森林林業の活性化、雇用の創出等による地域経済の好循環を目指し現在取り組んでいる。
平成16年度においては、上勝町月ヶ谷温泉交流施設にバイオマスボイラー室S造49.63m2、サイロ室RC造25.5m2の建築工事及び、バイオマス ボイラー250KW×1基(オーストリア製)、バックアップボイラー233kw×1基を事業費70,342,650円で実施しました。
平成17年度においては引き続き、月ヶ谷温泉にバイオマスボイラー500KW×1基を導入し温泉施設全館の給湯等すべて賄うと共に、燃料となる木質バイオマス燃料生産システムを上勝町内に設置している。
このような取り組みとともに、上勝町では、全国に先駆け平成15年9月19日にゼロ・ウエイスト(ゴミゼロ)宣言をし、小さな山の町で始めた小さな取り組みですが、日本全国に広がる事を目標に挑戦しています。今後においても環境をキーワードにバイオマス等未活用エネルギーの積極的な利用・啓発に努め、環境と経済の好循環するまちのモデルとなるべく挑戦していきたいと考えております。


